遠距離の引越しは、様々な方法があります。
引越し業者の立場からすれば、それぞれの方法の一番の違いはコスト面ですが、それによって皆さんには料金以外にも注意すべきことが出てきます。
具体的には、以下の様な遠距離引越しの方法があります。
- 専用トラックで行なう引越し
- 他のユーザーの引越し荷物と混載する引越し(混載便)
- 遠距離移動の途中で別の業者に中継する引越し
- JRや海運業者のコンテナを利用する引越し
です。1の方法以外はそれぞれ安くするテクニックを用いることで、コストダウンをはかっています。
距離などの各種の条件によって、2~3のどの方法が一番安いかは変ってきますので、具体的な値段の比較は皆さんそれぞれが複数の引越し業者から見積もりをとられることが一番早いです。
ここでは、上記の各種方法の作業的な説明をすることによって、料金以外で皆さんが業者や作業方法を選択する際の参考になればと思います。
さて、1の方法は言うまでもありませんが、皆さんの引越し専用にトラックを用意して、現住所で荷物を積んだトラックが、そのまま遠方の引越し先住所に自走して届ける方法です。
離島への引越しの場合は、荷物を積み込んだトラックがそのままフェリーに乗って、新住所まで行くことになります。
引越し業者によって違いますが大抵の業者ではコストダウンの為に、遠方に走るトラックには運転手だけが乗り込み、引越し先の作業は引越し先の営業所の作業員を使うといった方法をとります。
この場合は、積み込んだ荷物を知っているのは運転手一人だけなので、場合によっては破損のリスクが高まります。
運転手以外の作業員が一緒にトラックに乗り込んで引越し先に行く場合は、その様なリスクが少なくなりますし、また引越し元で担当した作業員が多いのはユーザーにとって引越し先でも心強いというメリットもあるかもわかりません。
ただ、この場合は値段が最も高くなります。
2の「他のユーザーの引越し荷物と混載する引越し(混載便)」は、同方向への別の方の引越しと合わせてトラックに荷物を積み込むことで、燃料代や高速代・人件費をコストダウンする方法です。
小さな荷物を大量に扱う運送業者では当たり前の方法ですが、引越しでも主に単身者の引越しや家具のみ数点だけの運搬などに用いられます。
小口の引越しや家具1点のみ運搬依頼の為に、トラック1台を走らせるとコストが高いです。
この場合は、別の引越しの片隅にこれらの荷物を混載して運ぶと効率が良いわけです。
料金が安くなる代わりにデメリットがあります。
専用トラックで行なう場合に比べて、作業の時間指定がしにくいということです。他の方の作業時間の前後によって、皆さんの作業開始時間の前後や遅延が発生することを了承する必要があります。
また、混載するそれぞれの引越しや家具などのパターンによっては積み込みの難易度があがったり、積み替えを行なったりする可能性が多いので、その分破損の発生の確率が上がります。
また、同様に他の方の荷物と間違って誤配されるようなリスクもあります。
私が一番問題に思うのは、上記の様なリスクを営業マンが契約前に説明をしないことが多いということです。
安さばかりをアピールしてデメリットというか安くなる理由を説明しないのは問題なのですが、言っても仕方がないので皆さんが賢くなってください。
ここで得た知識を使って、見積もり時にバンバン営業マンに質問しましょう。
またもっと問題なのは、混載をするということを言わずに(専用車で行なうと約束しておいて)実際には混載を行なって、皆さんへの請求は高いままで利益を出そうとする悪徳業者もあります。
ご注意ください。
3.の中継も混載と同様にコストダウンがはかれます。
特に中小の引越し業者が用いる方法ですが、引越し元で荷物を預かりに来たトラックが引越し先までは行かず、途中で別の提携業者のトラックに積み替えられて運ぶ方法です。
2.の方法でご説明したのでもうお分かりかと思いますが、3.方法もデメリットがあります。
特に積み替えを行なう時に、別の提携業者の作業員は引越し荷物の内容を把握していないので破損発生の確率が高いです。
また場合によっては、積み替えを行なうだけの作業員が関わるので無責任に作業をします。(ユーザーに顔を合わすことがない作業員は作業が乱暴になりがりです)
よって、破損発生の確率がかなり高くなります。
また、この中継を用いることを説明しない営業マンがいます。私が引越し業者に入る前に引越しを依頼したことがありましたが、中継や積み替えはないと確認して契約をしたにも関わらず、引越し先には見たことのないトラックが来ました!!!
案の定、食器などが割れて壊れていました。
確認したにも関わらずその結果ですからなかなか難しいのですが、見積もり時点で嘘と見抜く以外に方法はありません。
今の私であれば、営業マンが嘘をつきにくいように、混載や中継をしないということを口約束だけでなく、見積書の備考欄に記載させると思います。
そこまで求めるユーザーのことを堂々と騙せる営業マンはなかなか居ないですし、居た場合はそれを証拠に消費者センターなどに持ち込めます(笑)
最後にコンテナ利用をする場合ですが、これは遠距離の運搬を電車や船で運ぶことによって安く上げる方法です。
コンテナを積んだトラックが引越し元や引越し先にくるのか、普通のトラックが来て駅や港などでコンテナに積み替えるかによって、積み替えのリスクの有無があるかないかはもうお分かりだと思います。
またコンテナを利用した場合は、大抵の場合は引越し元と引越し先の業者が違いますので、破損が発生した場合にどちらの作業に責任があるのかで揉めることが多いです。
契約時に、トラブル発生時には対応窓口がどちらになるのかをしっかり確認したほうが良いです。
主にデメリットをお話しましたが、値段が安くなるのは良いことです。
破損の発生は梱包の仕方を厳重にすることで防げますし、貴重品や壊れやすいものはご自身で運ばれることによって防ぐこともできるでしょう。
上記のことを知っていただいた上で、皆さんにとってベストな引越しにカスタマイズしていただければと思います。
見積もり依頼をされる場合は、大変便利な一括見積もりサービスをご利用になってください。
『遠距離引っ越しの方法による作業の違い』の続きを読む |